ピークとされている平成14年以降、空き巣は毎年減少傾向にあります。
しかし、平成29年度の空き巣検挙件数は13,885件と、決して油断すべきでない件数となっていることも事実です。
空き巣被害に遭わないために、私たちができる簡単な対策として「手口を理解する」という手段があります。
なぜなら、空き巣はいくつかの“現状認知されている侵入手段のスペシャリスト”というケースが多く、手口をしっかりと理解しておくだけで、未然に被害を防ぐ事ができるとされているからです。
空き巣の代表的な侵入手段として広く認知されているのがピッキングという手段です。
普段は鍵で錠前の中にある“ピン”を所定の形に合わせるべきところを“特殊な金属の棒”を用いて解錠へと導く手口になります。
ピッキングブームと言われた2000年代初頭は、特殊な金属の棒に当たるピッキングツールが簡単に購入できる事が犯罪を拡大させました。
現在はディンプルキーというピッキングに強い鍵と錠前が普及していますが、ピッキングツールも以前より気軽に購入できるので、依然として警戒が必要です。
サムターン回しとは、先端が細長いドリルのようなもので錠前の付近に穴を開け、その穴から器具を差し込んでドアの内側から鍵を開ける手口です。
ピッキングと異なり、小規模ながらも扉を損傷させる行為を含むので、犯罪認知は早くなる傾向になります。
侵入の手段は玄関からとは限りません。ガラス破りは、比較的破壊が容易な窓に目標を定め、ドライバーやハンマーなどで最小限の破壊を行い、内側にあるクレセント錠を解錠して侵入する手口です。
一戸建て住宅においては2番目に多い侵入手口なだけに警戒が必要になります。
最近では音を最小限に抑えた焼き破りと言う手段も検挙されています。
簡単に手に入るようになった小型バーナーで窓を焼き、急速に冷凍、再び焼く行為を繰り返す事でものの十数秒で侵入に至る凶悪な手口です。
一戸建ての住宅において、最も多い侵入の手段は「無施錠」と言われています。
日々の施錠忘れはなかなか気づく事ができない上に「施錠し忘れたかもしれない」程度だと周りの人を巻き込むのも躊躇われてしまい、本当に閉め忘れていた場合は事件に繋がりやすくなっています。
日々の戸締りを確実なものにするために、「オートロック機能のある鍵に付け替えをする」や「スマートロックを導入する」などの閉め忘れ防止の手段を講じる事も、空き巣対策の一環として有効的でしょう。
空き巣の犯行手口はご紹介した以外にもいくつか存在しますが、ほとんどの場合に対応できる対策も講じられています。
私たちにできる事はもちろん実行するべきですが、まずは「鍵の閉め忘れ対策」を行う事が、被害を減らす第一歩なのではないでしょうか。